- 徹底した顧客志向で高品質・低価格の印鑑をお客様に提供し続けたい
変革を必要としていた印鑑業界
Q. まず最初に印鑑業界への参入について教えてください。菰田さんはなぜ印鑑業界に参入されたのでしょうか?
菰田アパレル業界、PR会社を経て新しくビジネスチャンスがある領域を探っていました。その中で印鑑業界はまだまだ変革の余地があることに気づいたんです。
印鑑市場自体は人口減少、行政手続きの簡素化、ネットの普及等で減少傾向にあります。そういった環境下ではより高品質・低価格の商品をお客様に提供していかなければなりません。とはいえ、長い歴史を持つ既存のプレイヤーは過去の商慣習やしがらみがあり変革が難しい。実際に業界内にも今のままではいけないと強く危機感を持っている方もいらっしゃいました。そういった市場環境に参入のチャンスがあると考えたんです。
業界に踏み込んで気づいた「売り手都合」という課題
Q. 現在の印鑑業界が抱える課題は何でしょうか?
菰田現在の印鑑業界はお客様の求める価格・品質の商品を提供できていないと感じています。お客様が求める価格を実現するにはどうするかと考えるのではなく、原材料の値段や仕入れコストを元に価格を決めているイメージですね。言葉を選ばずに言うなら「売り手都合」の意識が非常に強いと感じています。
前述しましたがインターネットの登場と共に商流も変わり、また印鑑業界全体の市場規模も縮小しています。その環境下で今まで通りの商品を提供していれば業界全体の縮小は止まりません。私たちは市場環境の変化に合わせて事業構造そのものを根本から見直し、お客様が求める価格・品質の商品を提供していきたいと思っています。
規模の追求とコスト削減により高品質・低価格を実現する
Q. どのように課題を解決していくのか、そのアプローチを教えてください
菰田大きくは「M&Aを含めた事業規模の拡大」「徹底した設備投資」「メーカーからの直接仕入れ」の3つです。
市場全体が縮小する中で、今までのような小規模生産方式ではどうしても品質に対して価格が高くなってしまいます。私たちはM&Aを含めて事業規模を拡大し、大規模な設備投資を行うことで高品質・低価格の商品を作る努力をしています。もちろん費用は先出しですので数年間は大きく赤字になってしまいますが、必要な投資だと考えています。
また、私たちはメーカーから印材を直接仕入れることでもコスト削減を行っています。昔は卸を通すことでボリュームディスカウントがありましたが、商流が変わった今それはありません。一軒一軒メーカーの方を訪問し、直接の仕入れをさせていただくよう関係強化に努めています。
こういった地道なコスト削減の努力を行いつつ設備投資、事業規模の拡大を追求することで、高品質・低価格を実現しています。
徹底した顧客志向で印鑑業界に変革を
Q. 最後に、菰田さんの今後の展望を教えてください
菰田とにかくお客様目線で高品質・低価格の商品を提供し続けることですね。実際にまだまだ改善余地はあると考えています。例えば印材を仕入れる場合でも、メーカーの倉庫を経由せずに我々の自社倉庫に直接輸送することでコストが大きく下がります。この努力を続けるには継続的な設備投資が必要にはなりますが、こういった努力を継続し、お客様に満足いただける品質・価格での商品を提供し続けていきたいですね。